これは愛なのかと問われたら
わたしは頷かないだろう


これは恋なのかと訊ねられたら
わたしは首を振るだろう



そんな名前のつかない感情がひそむ胸の奥



どこまでもあなたに向かう
わたしのこころを置き去りにして


 

真夜中に
わたしはわらう



わかっているよ
大事なものは
ここにあるんだって



わたしはわらう



知っているよ
守るべきものも
ここにあるんだって



わたしはわらう



でもね　気付いているよ
そこにわたしがなくても
いいことくらい



わたしはわらう



それでも


ここにいる


ここにいる


ここにいて



わたしはわらう
真夜中に



 

もう
知らなかった頃にはもどれないな



きっと
あなたもそうでしょう？

 

今
わたしが感じる
一瞬の
よろこびや
かなしみは
長い人生の中でも一度きり


そう思ったら


それらが無性に
いとしくなった




なんでもない感情
人生分の一



積み重ねて生きてゆく